住宅費の計算(新築戸建て購入編)

買いたい

新築戸建てを購入した場合の生涯で支払う住宅費用って総額でどれくらいになるのか。
既に住宅を購入済みの方はもう支払っていくしかありませんが、今まさに検討中の方や賃貸に住んでるけど将来的には家を買いたいという方は必見の内容です^^
別記事で賃貸に住み続けた場合、新築マンションを購入した場合なども作成しますので、ぜひそちらも参考にしてください。

新築戸建てを購入した場合にかかる費用

「庭付き一戸建ては男の夢」なんて言われることもある(最近は言わへん?年齢がばれる笑)マイホーム購入ですが、チラシやインターネットサイトを見ても実際に支払う生涯の住宅費ってあまり分からないですよね。
今回はそんな住宅費の「生涯コスト」を試算してみました。表にまとめてみましたのでご覧ください。
金額は4000万円(土地2500万円、建物1500万円、あらゆる軽減税率のメリットを受けられる)という想定になっています。それぞれの項目について詳しく記載していきますので、自分の想定している金額と違う方も計算式に当てはめてぜひ計算してみてください。

4000万円新築戸建てを購入した場合の試算表

ローン関連費用~金利の重要性~

住宅を購入する際に一括で支払える方は少なく、ほとんどの方は住宅ローンを組まれるかと思います。
住宅ローンは他のローンに比べて金利は低く抑えられていますが、それって当たり前の事で、住宅の購入の際は借入する金額が高額となることが多いからなんですよね。住宅ローン金利はおおよそ0.5%~2.5%程度までで抑えられている訳ですが、それでも十分な利益が出るから銀行は住宅ローンを提供し続けているのです。
銀行で利益が出る一番大きな理由はローン金利が”逆複利”であるという事です。要は毎年金利がかかるという事なのですが、分かりにくい方もいらっしゃるかもしれませんので一つ例をあげます。

・借入額:4000万円
・金利2%(80万円)
・月々返済額:15万円(15万円×12か月=年間180万円)

上の例ですと180万円を支払ったうちの80万円は金利で元本は100万円しか減りません。
すると翌年は残額の3900万円に金利2%が課されるという事になり、完済までこのシステムは変わりません。

これが銀行が潤っている仕組みですね(笑)
ですが、一括で購入する資金がない以上この金利というのは避けては通れない道です。

ここで重要になってくるのが金利が何パーセントになるか、という点です。
それでは最初にのせた4000万円の新築戸建てを購入した場合の試算表のローン関連の部分について見てみましょう。

金利の違いでどれだけ違う?

結構びっくりするくらい違いますよね(笑)
どれだけローン金利を抑える事が大切かが良く分かると思います。ちなみに諸経費はローン事務手数料、登記費用、印紙税の総額目安として記載しています。このうちローン事務手数料に関しては、融資を受ける金融機関によって定めが異なりますのであくまでも目安として考えてください。

ちなみに金利に関しても各金融機関で差はあります。また、皆さんご存じかと思いますが「安定している職業」の方ほど金利が低く設定されますし、頭金を沢山入れられる方の方が低く設定されるというケースもあります。
買う買わないは個人の自由ですが、金利が1%を超える設定となってしまうような場合はある程度頭金を入れてローン借り入れ金額自体を抑える事がより重要になってきます。

税金関連費用~軽減税率を利用しよう~

次に税金についてですが、こちらは「日本に住む」以上逃れることのできない部分になります。
税金を滞納し続けた場合、せっかく買った物件が”差押え”されてしまうというケースも本当にあり得ますので国民の義務としてしっかりと把握して支払っていきましょう。

それでは、住宅に関する税金ですが主に下記の2つの税金がかかります。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税

不動産取得税

文字通り不動産を取得した際にかかる税金になります。こちらは実際の購入時に請求されるものではなく、数か月後に各行政から支払いの依頼が届くものになっています。
そのため不動産会社によっては不動産取得税の説明を疎かにする場合もあり「急に請求がきて驚いた」なんて事も聞きますのでちゃんと理解しておきましょう。

【不動産取得税の計算方法】
建物:固定資産税評価額×4%
土地:固定資産税評価額×4%

【不動産取得税の軽減措置(2024年3月引渡しまで)】
1.土地建物ともに取得税を4%→3%へと引き下げる
2.控除
建物:固定資産税評価額から1200万円を控除
土地:課税標準額の半減および下記の①か②の多い方の金額を税額から控除
   ①4万5000円
   ②土地1㎡当たりの固定資産税評価額×1/2×(課税床面積×2)×3%
    ※1上限200㎡
《計算式》
建物:(固定資産税評価額ー1200万円)×3%
土地:固定資産税評価額×3%ー控除額

少し分かりにくいので、今回のケース(土地:25坪2500万円・建物1500万円)で、軽減措置ありの場合となしの場合の比較をしてみます。
※実際の購入金額ではなく固定資産税評価額での計算が必要なため、実際の購入金額に0.7倍の目安係数を用いて計算します。

軽減措置なし
建物:1500万円×0.7(目安係数)×3%=31万5千円
土地:2500万円×0.7(目安係数)×3%=52万5千円
合計:84万円

軽減措置あり
建物:1500万円×0.7(目安係数)ー1200万円×3%=0円
土地:2500万円×0.7(目安係数)×1/2×3%ー約21万円(1㎡当たりの固定資産税評価額)×1/2×200㎡(住宅の床面積)×3%=0円

軽減措置がどれだけ優遇されているか分かっていただけたと思います。
ちなみにこちらの軽減は2021年3月で終了予定だったものが、2024年3月まで延長されています。
今がチャンス!というつもりはサラサラないんですけど(笑)、この部分に関しては今買うとお得になっているのは間違いありません。
ただ、不動産購入は人生で一番大きな買い物なので”軽減措置がきっかけ”になる事は良いと思うんですけど、”軽減措置を受けることが目的”になってはダメで、たくさんあるファクターの中の一つとして考えてもらうのが良いと思っています。

なお、軽減措置を受けるには条件がありますので注意しましょう(新築一戸建てを購入する場合、よほどイレギュラーなケースを除いて条件を満たすことができますが。)

固定資産税

固定資産税は不動産を所有し続ける間、必ず支払わなければならない税金です。
固定資産税の税率とその特徴を理解しておきましょう^^

【固定資産税の計算方法】
建物:固定資産税評価額×1.4%
土地:固定資産税評価額×1.4%×1/6(住宅の用に供する場合のみ適用)

また、新築物件に関しては床面積120㎡相当分までの税額が軽減されます。軽減の期間は、一般的な新築物件で3年、長期優良住宅の場合は5年間となっています。

今回のモデルケースでは長期優良住宅を想定して、建物に関してはそれぞれ1年目~5年目、6年目~20年目、それ以降に分けて固定資産税を計算しています。
これは軽減措置のある期間を想定していることに加えて、建物の評価額が毎年少しずつ下がっていく事を想定しているためです。今回のケースでは5年目までは建物価格は横ばい、6年目~20年目まで毎年定率で建物価格は下落していき、新築時1500万円だった建物価格が20年目で300万円となり、その後は横ばいといった想定をしています。
なお、土地に関しては購入時から変動することがない想定での試算になります。

なお、固定資産税評価額を算出する係数は不動産取得税の際にも利用した目安係数0.7倍としています。(実際の固定資産税評価額にかなり近いと思いますが、正確な金額を知りたい場合は所有者であれば各自治体の役所で評価額を調べる事ができます)

固定資産税の推移想定

いかがでしょうか。税金って高いですね(笑)
固定資産税に関しては、年々建物評価が下落していくにつれて安くなっていくため、ローンを支払い終わるころには軽減措置終了直後と比べるとかなり安くなりますので、老後の安定のために頑張るしかないといったところでしょうか。

修繕費~安全・快適に住もう~

家を買った後はローンを支払っていればそれでOKという訳ではありません。
日々、設備は老朽化していきますし、外壁の手入れをしなければ雨漏りも発生しますので”快適な生活の維持”のためには定期的な修繕が必要となってきます。
今回のモデルケースでは、35年の間を快適に生活する事に加えて、その後も安心して住めるリフォームを行う想定で試算しています。
そのため、この部分に関しては日頃の手入れや不便だけど我慢するなどの忍耐で、もう少し安くする事はできるかもしれません。

《試算内容》
外壁塗装:90万円×3回(約12年に1度)
浴室リフォーム:75万円×2回(約18年に1度)
キッチンリフォーム:30万円×2回(約18年に1度)
トイレリフォーム:20万円×2回(約18年に1度)
洗面台リフォーム:10万円×2回(約18年に1度)
給湯器交換:10万円×3回
総額:570万円

気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、ローンを払い終わった1年後(購入から36年後)にすべての設備を入れ替える想定としています。(理想ですよね^^)
大体35年ローンを支払い終わった後は老後の生活となっているケースが多いと思いますので、老後を安心に暮らせるような設計をしてもらえたらいいなという個人的な思いからそのようにしましたが、実際には費用の問題などもありますのでそこはお財布と相談してください(笑)
とはいえ、例えば給湯器が壊れたままお湯の出ない生活を続けることなどは現実的にはかなり不可能に近いと思いますので、万一の故障に備えて貯蓄をしておきたいところです。

火災保険

家を建てて一番困るのがせっかく建てた家が壊れてしまう事ですよね。
その時のための火災保険という見方もできるのですが、実は住宅ローンを借入する際には火災保険の加入が義務付けられているのである意味強制加入という見方もできます。
この部分に関しては保険の内容や建物の内容によってピンキリですが、今回のモデルケースでは20万円/10年の計算をしています。
ちなみに、保険に関しては銀行や不動産会社が紹介してくるケースもありますが、その際には保険会社が代理店となった会社に対して代理店手数料を支払っているため、できれば直接自分で探して各社の商品を見比べて選んだ方が同じ金額でも納得のいく内容のものを選べたり、また同じ内容でも安く契約できたりする可能性は高いと思います。

総額

いかがでしょうか。総額でみるとローン金利によって大きく金額が変わりますが、4000万円の家を買ったのに結局は5000万円以上の出費になっています。
購入する年齢によってはその後も住み続ける事になるでしょうし、古くなったから建て替えたいなんて方もいらっしゃると思います。
人の価値観はそれぞれですが、どんな人でも使えるお金には限りがあります。
後悔のないお金の使い方をするためにも今回のお話を理解したうえで選択をしてもらえると、本当に書いてよかったなーと思いますので是非参考にしてください^^

税金控除~ローンを組んだら確定申告をしよう~

住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン減税というもので所得税が控除される制度が存在します。
会社員の場合、初年度のみ確定申告を行えば翌年以降は年末調整で自動的に還付されることとなります。確定申告の手続きは慣れない方には少しややこしい部分もありますが、控除される金額は小さくありませんので必ず手続きをするようにしましょう。
詳しい内容は国土交通省のHPに記載がありますので参考にしてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。
意外と買った後も意外とお金かかるなーと思われた方が多かったのではないでしょうか?
比較していただくためにも別記事で、マンション購入編も作成予定ですので是非またご覧いただけると嬉しいです。

賃貸編はこちら

それでは最後までありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました