
賃貸物件を契約する時に一番気になるのは、契約時の「初期費用」だと思います。
例えば家賃10万円のマンションを契約するとして、実際に支払う費用ってどれくらいが相場なのかって一般の方には分からないですよね?
不動産会社の中には一般に知られていないのをいいことに、借主からできる限り限界まで沢山報酬を受け取ろうとする会社が多数存在します。
正当な料金を支払って契約ができるよう、とっても大切な事をお伝えしますのでぜひ契約する前に勉強していってください^^
さぁー今日も稼ぎまっせー!
賃貸の初期費用の相場~項目について~
まず、一番大事なポイント(というか大前提)ですが、不動産会社で気に入った物件を見つけて前向きに検討する場合は必ず「見積書」を作成してもらいましょう!
営業マンから口頭で「〇〇万円くらいですね」と言われて、「OK!分かりました」の返答はNGです。
不動産取引で損をしたくない人は、必ず詳細な見積書を作成してもらった上で検討するようにしてくださいね!
見積書に記載されている項目の中で、どんな物件でも契約時に必要な費用は下記の5つです。
《賃貸を契約する上で必須となる費用》
- 家賃(前家賃)
- 敷金・礼金
- 保証会社費用
- 火災保険料
- 仲介手数料
この5つはほぼ必須項目。それ以外は不要なのに見積もりに含まれている可能性があります!
この5つ以外の項目があなたが貰った見積書に記載されている場合は、不動産会社の都合で費用が発生している可能性がありますので相見積りをオススメします。
ちなみに賃貸の契約で必要となる費用の目安は「敷金・礼金+前家賃+家賃2か月分」ほどになりますが物件によって多少変わりますので参考程度に覚えておいてください。
それでは項目ごとに交渉の可否や費用の意味を説明していきますので確認していきましょう^^
前家賃だけで住める訳ではないんやね・・・
家賃交渉
家賃は初期費用の交渉とは少し違いますが、初期費用と同じ段階で交渉するものなので合わせてこちらでご説明します!
家賃は”貸主”が毎月受け取るものになりますので交渉は”不動産会社”から”貸主”へと行うことになります。
たまに「貸主=不動産会社」だと思っている方がいらっしゃいますが、ほとんどのケースで貸主と不動産会社は別ですので注意しましょう。
家賃は毎月必要になる費用なので一度は交渉してみるのがオススメです!
全く家賃交渉ができない物件も存在しますが交渉する事自体は”無料”ですので、ぜひ不動産会社にお願いしてみましょう!
家賃に関しては値下げになる事で不動産会社が損をするわけではないので、契約を成立させるために不動産会社は交渉を頑張ります。
都市圏の物件などを中心に値下げ交渉が全くできないケースもあるため過度な期待は禁物ですが、家賃が1000円下がると毎年12000円の費用が浮く訳ですから少しでも下げてもらえないかぜひ確認してみて下さい^^
余談ですが私が不動産会社に勤めていた際に一番家賃交渉がうまくいったケースでは驚きの15,000円引き!(いやー、言うてみるもんやなーと思いました笑)
でも、これはかなり稀なケースですので一般的には1000円~2000円程度を目安に交渉するのが良いと思います。
しもたー。3000円引きはちょっとサービスしすぎたなー。
やっほーい!!
前家賃~フリーレント交渉~
これはどんな賃貸物件でも必ず発生するものです。
月途中で入居する場合、日割り家賃+1ヶ月分家賃が必要となるケースが多いと思います。
物件によっては前家賃として2ヶ月分の賃料を預かるケースなども存在しますが、これは住んでいる以上必ずかかるお金を前払いしているだけですので特段問題はなく、ルールの問題です。
初期費用を極力抑えたい場合は、フリーレント※1というサービスが使えないかを確認してみたり、入居日を調整して日割り賃料分を少なくするなどで調整ができる可能性がありますので、不動産会社に依頼してみましょう^^
※1フリーレント:前家賃の一部を無料とするサービス。学生向けマンションなどでよく見られていたが、最近は一般の賃貸物件にも適用される事が増えてきている。例えば2月15日が契約開始日(鍵がもらえる日)だけど家賃の発生日は4月1日として、2月15日~3月31日までの賃料を無料とするサービスの事です。
フリーレントは最初から貸主がサービスとしてフリーレント期間を設定している物件でない限り、仮に交渉をしたとしても、そんなに長期間のフリーレントは期待できませんし、そもそも受け入れられない可能性が高いので過度な期待をしないよう注意してください。
過度な期待はできへんけどフリーレントはめっちゃお得やで!
敷金・礼金
敷金・礼金は原則、契約時に一括で支払う費用です。
地域によって保証金・解約引きなどといった言い方をするケースなどもありますが意味合いとしては大きく変わりません。用語については改めて説明ページを作成しますのでそちらをご覧ください^^
敷金
いわゆる”預け金”で、退去する際には原則全額返還されるお金です。
金額の相場は0円~家賃3ヶ月分程度になります。
貸主の目線で見たときに、部屋を乱暴に使用されて修繕費がすごくたくさんかかるケースや、何も言わずに夜逃げされるケースなどに備えた保険のような意味合いで預かるというのが一般的な見解です。
敷金を設定する契約は保証会社が発足して以来かなり少なくなってきていますが、あくまでも”預け金”
ですので支払って損をするという内容のものではありません。
敷金も初期費用に不安がある方は交渉する事が可能な項目ではありますが、できれば敷金よりもこの後説明する”礼金”や”仲介手数料”は返ってこないお金なので、そちらを交渉する方がベターです。
敷金は解約時に返還されるお金なので、初期費用が厳しい場合を除いて交渉するメリットは少ないです!
礼金
こちらは字面通りの意味で「住ませてもらう謝礼のお金」で、退去する際にも全く返還されないお金になります。
礼金も数十年前(保証会社発足以前)と比べると金額はかなり安くなってきてはいますが、貸主側のメリットが非常に大きいお金ですので敷金は0円でも礼金は取るという物件が多いです。
ちなみに金額の相場は0円~3ヶ月程度で敷金と大きく変わらないです。
礼金は借りる人から見ると何のメリットもない費用になりますので、ぜひ値下げ交渉をしたい部分ですし、交渉に応じてもらえるケースも割と多いです。
ちなみに、こちらも家賃と同様に勘違いされがちですが礼金は貸主が貰うお金です。
そのため礼金の値下げ交渉をする場合には、不動産会社に貸主と交渉をしてもらう必要があります。
営業マンが一生懸命交渉をしてくれるようにしっかりと関係性を作りましょう^^
礼金交渉できたらこの物件に決めようと思ってるんでお願いします!
ホンマですか!?ほんなら頑張りますね! (オーナーにごり押しあるのみ!)
数分後
20万円やったのが10万円やったらOKもらえましたよ!(やったったでー!)
あざーっす! (うぉっしゃあ!成功!)
保証会社費用
これは家賃保証会社に加入する費用で、現在の賃貸契約にはほぼ全ての案件で必要となっているものです。
家賃保証会社は企業ごとに商品が異なっており、費用は大体家賃の50%~100%で設定されています。
この項目に関しては残念ながら値引き交渉をすることはほぼ不可能なのですが、稀に保証会社を変更できる場合もありますので相談をしてみるのは良いかもしれません。
なんで貸主に家賃を保証する会社の費用を借主が支払うの?という疑問を感じる方もいらっしゃると思いますが、残念ですがそういる仕組みとなっているので必要経費と思いましょう。
家賃保証会社は借主が家賃を支払わなかった時に立替してオーナーへ家賃を支払ってくれますが、立替してもらった場合も、立替してもらった賃料には返済の義務が発生しますので最初から家賃保証会社のお世話にならないのが ベストです。
家賃保証会社は一時的に立替してくれるだけで払わなくても大丈夫というわけではありませんので注意です。
保険費用
賃貸住宅に入居する際には火災保険(少額短期保険)に加入することを義務付けられている事がほとんどで、費用に関しては2年ごとの更新のものが多いですが月額のものも存在します。
契約の際に加入を促される保険に関してはおおよそ15000円~25000円/2年程度が相場ですが、自分で保険を選ぶと費用はグッと抑える事ができます。
なお、保険に関しては保険業法上、不動産会社側が加入する保険を指定することはできません。
不動産会社は、あたかも指定保険であるかのように手続きは進められますが「自分で保険会社を選びます」と言って問題ありません。
費用を少しでも抑えたい方は手間は少しかかりますが自分で保険会社を選択しましょう。
自分で探すのが面倒であればそのまま不動産会社に紹介された保険に加入してもOKです。
自分で探す場合、個人的には「借家人賠償1000万円」と「家財100万円」が保険対象になっている保険であればおおむね問題ないと思いますが、皆さんの判断で良い保険を選んでみて下さい。
ちなみに、賃貸借契約書上で「借家人賠償付き保険に加入する事」を入居条件にしている事がありますが、これ自体は保険業法違反にはあたりません。
「この保険会社に加入しなさい!」と保険会社を指定をすることが違反という事ですので注意しましょう。
最後に、実際に水漏れ(主に洗濯機のホース外れ)で下の階の方や建物に損害を与えた際など、保険未加入であると多額の賠償金を支払う必要が出てきたりする可能性が十分あります。
「保険に加入したくない」という気持ちは分かりますが、個人的には入居条件とされていない場合でも加入しておくことをオススメします。
保険入らなくてもいいやー
数年後、水漏れ発生
やばー!下の階までびちょびちょや!
修理200万くらいやねー
うそやーん。。。
仲介手数料
仲介手数料は文字通り、不動産会社に物件の仲介をしてもらうための手数料です。
この仲介手数料は法律上、家賃の半月分+消費税が上限として定められていて、最近はこの上限に従って家賃の半月分であったり、さらに安い金額で営業している不動産会社が増えてきています。
一概に仲介手数料が安い会社が正義だと言えないのが不動産会社選びの難しいところではありますが、少なくとも家賃の半月分以上の仲介手数料を支払う必要は全くありません。
仲介手数料0円!という不動産会社も存在しますが、そういう会社は広告料(オーナーからの収入)がたくさん貰える物件しか紹介してくれないなどのデメリットもあります。
ちなみに半月分以上の仲介手数料を請求することは即違法という訳ではなく、”依頼者からの承諾を得ている場合”は1ヶ月分を上限として認められています。
つまりあなた(借主)の承諾がないのに1か月分の仲介手数料を得ることは違法となりますので、単純に1か月分支払いたくないですという意思表示をするだけで大丈夫です。
なかなか値下げに応じてくれない事もありますので、そんな時は「法律知ってますよー」と言えば半月までは下げてくれるはずです^^
また、それ以上に値下げ交渉をすることも不可能ではありませんが、不動産会社が借主からもらえる報酬は原則この仲介手数料のみですので元不動産営業マンとしてはお手柔らかにしてあげて欲しい部分ではあります(笑)
その他の項目
- ハウスクリーニング(エアコンクリーニング)費用
- 消臭費用
- 消毒費用(害虫駆除費用)
- 鍵交換費用
- その他(24hサポート等)
不動産会社から見積書を出してもらうと上記のような費用が明細に記載されている事があります。
また地域によってストーブ分解整備料など、様々な雑費を請求される可能性があります。
これらに関しては、「貸主が入居条件として定めているもの」と「不動産会社が独自に設定しているもの」で大きく性質が異なります。
貸主が入居条件として定めている費用に関しては原則必須で必要となってきますが、不動産会社が独自に設定している費用に関しては原則すべて削除する事ができます。
あたかも必須条件かのように明細に含まれてくる事が多いので注意が必要です!
この費用とこの費用も見積もりに加えといてっと( ̄ー ̄)ニヤリ
わー、高いー。。。
どうやって見分けるの?という部分ですが、一番簡単なのは”相見積もり”を取ることです。
賃貸物件はどこの不動産会社でも扱える事の方が多いため、基本的には相見積りを取ることで必須項目とそうでない項目はほぼ確実に見分けることができます。「片方の会社では記載されていたのにもう片方の会社では書いていない」や「両方の会社の見積書に含まれているけど費用が違う」などの場合は削除できる項目と考えて間違いありません。
相見積りはぼったくりに合わないための”自己防衛手段”です。そのような不動産会社が存在する以上、少し手間はかかりますがぜひ相見積りを取ることをオススメします。
もし選んだ物件が「1つの不動産会社でしか取り扱っていない物件」だった場合は、残念ながら消費者目線から見分けることは難しいです。
一つ一つの項目に関してきちんとした説明を求めて、不要だと思った場合は費用から削除してもらうよう交渉していくしかありません。
これらの費用に関しては契約者自身が必要と判断するのであればもちろん全てのサービスを依頼しても良いのですが、基本的には自身で手配した方が安くなることが多いので、個人的には不動産会社の紹介するサービスを利用することはオススメしません。
ちなみに、これだけで数万円~10万円程の差になる事もありますので無駄な費用を搾取されないようにしてください。
ポイントは相見積もり!いらないサービスは省きましょう!
値下げ交渉をする前に私からのお願いです
今回の文章では初期費用の値下げ交渉ができる部分、できない部分に関してかなり細かく書いています。これは不動産会社や貸主の急所(収入減)になりうるパワーを持っています。
私はもちろん皆さんに安く契約して喜んで頂きたいと心から思っているんですが、同時に健全な不動産会社や貸主が発展してほしいとも思っています。
不動産会社もお客様も気持ちよく取引ができるのが理想です
値引き交渉をする際は次の注意点に配慮して交渉をしてもらえると嬉しいです。
- 契約する気がないのに交渉するのはNGです
- 人気物件は全く交渉ができないこともあります
- 過度な値引き交渉をオススメしている訳ではありません
不動産営業マンも会社を離れれば一人の人間です。
”横柄な態度をしているお客様”や”少しでも安く安くを繰り返すお客様”にはうんざりとしてしまいます。その結果、オーナーとの値引き交渉に力が入らなくなってしまう可能性も十分ありますので気を付けてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?ちょっと詳しく書きすぎて、不動産会社から「営業しにくくなるからやめろー」ってクレームが入りそうでちょっとビビってます(笑)
この文章を読んで理解してもらえた方は、”不動産会社に騙されてぼったくられる”という可能性はほぼ無くなっていると思います。
しっかりと知識を持って部屋探しをしてお互い気持ちよい取引をしてください。
ちなみにおススメの交渉方法は「家賃が〇〇円になるならこの物件で契約します!」や「〇〇万円までしか予算がないんですけど、何とかならないですか?」とストレートに相談することですので参考までに。
それでは最後までありがとうございました^^
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